2018年10月11日

『国道16号線スタディーズ』刊行

IMG_3387.jpgR16といえば、神奈川県は横須賀に端を発して、
ぐるりと東京の郊外をつなぎ、千葉県富津市に至
る環状道路です。神奈川県の人には至って身近な
道路で、圏央道ができていなかった時代には、中
央道に繋がる道路としても、そしていつも混雑す
る道路として馴染みが深いものです。
沿線の土地の成り立ちや、変貌も身近に聞こえて
いたところだけに、格別この本に親しみを持った
次第です。
ーー2000年代の郊外とロードサイドを読むーーと、
副題が付いています。
アースダイバーという言葉が行き交い、タモリがそ
の才覚を発揮し、土地の素性や変貌を学者のように
語る番組も人気を博している。そんな時代に先駆け
るように誕生した本です。特にR16を利用する身に
は、馴染みの場所や話題だけを切り取って読めるも
のであり、そしてまだ知らなかったその先のR16に
も〜と。
私にとって格別印象的な地域は、相模原周辺。両側
には大型量販店やファストフードの店がまるでサン
プルのように並び、業績好調と言われた小田急相模
大野の伊勢丹は、新しい町のシンボルのようであっ
た。団塊の世代を意識した街づくりの一つの典型の
ように、屹立していたのが、つい先日来春の閉店が
決まったという。R16は、ライブで高年齢化してい
る街の年輪を刻んでいる。
私の知る限り、車で走って楽しいと思える風景がな
いのが残念なところだけれど、軍都から商圏をつな
ぐ有用な道であるならば、そんなことはお構いない
こと。最近は漱石の文学と、土地の関係性を読み解
く本も出版されるなど、文化地誌学的な考察ものが
面白い。
この本は、専門知識がない身にはわかりにくい一面
もあるが、現代版『街道をゆく』として、豊かな話
題性とともに検証する楽しみも生まれてくる。
青弓社 ¥2000+税 編著 塚田修一・西田善行
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posted by Tanaka at 15:45| お知らせ

2018年09月25日

ポジャギの魅力

ちょうど、いま展開している「保知 充木工展」とIMG_3454.jpg
同時開催している「ポジャギの魅力」は大野弘子さ
んによる、綺麗な手仕事です。
ポジャギは韓国のパッチワーク、素材も麻や絹を使い
、日本で言えば風呂敷や袱紗のように大切なものの上
にかけたり、包んだりした手縫いの布です。
朝鮮王朝の時代、女性たちの身分が低く、自由に外を
闊歩することもままならなかった時に、家族のためチ
クチクと手縫いで作り上げるポシャギや、刺繍が女性
たちの慰めになっていたそうです。それが上流社会で
は華やかな図柄や上質な素材を使って、より豪華なもIMG_3456.jpg
のへと変化していったようです。
日本でもかつて同じことが言えました。
制限がある中で、女性たちのささやかな喜びは家族
のために絣を織ること、ボロをつなぎ合わせて裂織り
にして丈夫にしたり、限られた中で自由に意匠を作り、
喜びにしていったのは、河井寛次郎が『六十年前の今』
という著書の中で、山陰の女性の暮らしの中にも伺い
知ることができます。ーーー余談でしたが。
彼女が師事した崔良淑先生は、染色を学ぶために来日し、
現在では教室を開き、ポジャギの美しさを日本の方に〜
と、広めていらっしゃるそうです。
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いつかご紹介できると嬉しいです〜〜
上は「竹」をイメージして製作し、中段は「花園」と
名付けた、ポジャギ。いずれも絹。
下は麻素材で、窓にかけてみました。
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posted by Tanaka at 09:47| お知らせ

2018年09月14日

鯛の歯を使って〜

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梓での金継ぎ教室も、5年経ちました。教えて
くださる鈴木順子先生は、早稲田の美術史研
究から漆の世界に入った方で、漆芸家の元で
訓練を積み、本格的な金継ぎを教えてくださ
っています。
道具にもそのこだわりの一端が伺えます。例
えばトクサを刈り取り、5センチほどに切り
揃え、干したものを磨きに使います。
また、鯛の歯を使って研ぐ道具(鯛牙棒)を
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ご自身で作ります。魚屋の店先に鯛の頭を見
つけると、まずは口元を覗き込むそうです。
鋭い前歯を抜き取り小さな持ち手をつけます。
腐っても鯛と言われ、どこも捨てられないと
は聞いていましたが、歯も抜かれているとは
鯛も想定外だったでしょう。
鯛牙棒は、金継ぎの蒔絵をした後、最後の金粉
の磨き工程で使います。
上の写真は上下の歯、下は、柄を付けた鯛牙棒


posted by Tanaka at 22:50| 日記